幼稚園でクラス担任をしていた頃、懇談会や相談で、「うちの子、友達と一緒に遊んでいますか?」と、心配そうに聞いて来られる保護者さんがとても多くいました。
保育園や幼稚園の集団生活では、友達と一緒に遊ぶ中で社会性の多くのことが身につきますし、この時期にお友達と関わりながら学ぶことはとても多いです。
しかし果たして全てのお子さんは今、本当に友達と遊ぶことを求めているのでしょうか??
子どもは同年齢でも、それぞれの発達段階はみんな少しずつ違います。
一般的に幼児期の遊びは
⚪︎傍観遊び(他の子どもの遊びを傍観する)
⚪︎平行遊び(他の子どもと同じ遊びをするが互いに関わりを持たない)
⚪︎連合遊び(他の子どもと互いに関わりを持つが、あくまで自己中心的)
⚪︎協同遊び(他の子どもと互いに協力し合う)
などというように、段階を踏んで成長していくと言われています。
しかし、幼稚園などで周りにたくさんの友達がいても、自分の好きな工作を毎日ひたすらするお子さんもいますし、自分の世界で何か(ヒーローなど)になりきって、先生を相手に楽しんでいるお子さんもいます。
一方で、大好きな友達がいて、自分がやりたいことよりもその友達のやりたい事を優先し、毎日一緒に過ごすことを楽しんでいるお子さんもいます。
先ほど書いた発達段階というのはあくまで一般的なものであり、個人差や性格的なものも大きく影響しているな…とよく思っていました。
大切なことは、まずはお子さんが保育園や幼稚園で好きなことを見つけて楽しめているのか?ということなんです。
自分がやりたいことを見つけ、それを十分に楽しめていないと次の段階へ行くことは難しいこともありますし、たくさんの友達と遊ぶよりも少人数の友達や、もしかして1人で絵を描くなど、じっくりと遊ぶ方が好きなタイプなのかもしれません。
大人だってそうですよね? 必ずしも友達や人と群れるのが好きな人ばかりではありません。
ただ、少し注意しなければならないのは、極端に人に興味がない場合、ASDなど発達の問題を抱えている場合もある という事です。
これはまた別の話となるので今回は詳しくは書きませんが、そういったお子さんも含めて、ご自身のお子さんが今、どのような発達の段階にあるのか、またどのようなことが好きなのか、そしてどんな性格なのかをよく理解しようとすることが大切だと思います。
ご自身のお子さんだけを見ていてもなかなか難しいかもしれませんが、じっくりと観察していると必ず何かが見えてきますよ。
友達がたくさんいて毎日ワイワイ過ごす…。
一見そのようなお子さんを見て、いいな…と思う保護者さんは多いのかもしれません。
確かに友達から刺激を受けながら遊ぶ事は素晴らしいことです。
一方で、1人でもじっくりと遊べること、自分が好きなことを自分のペースでできることもとても素晴らしいことなんですよ。
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